カテゴリー別アーカイブ: 二枚舌

夢子の野望は闇より深い

緑色のため息が知らぬ間にもれるこれは
喜びのため息
ささやかな喜びに小さな二つの胸は震え
くちびるのはじは一人でに上がり目は垂れる
どんなにこの日を待ちわびたことかしら
見えない明日を手探りでいたのは何だったの
そんな苦も今となれば
今日をより盛り上げるためのスパイス
ウフフ
笑みとともにまた喜びがもれる
それが他人から見れば黒いため息だとしても

アイ・オー・アイ・オー

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怒った顔も素敵ね
と見とれていると
どうやら鉾先はわたしに向いていて
うっとりしているどころではなかったけれど
今わたしをぶったばかりの拳はごつごつとしてとっても男性らしく
今わたしの胴を蹴り上げた足にはこないだ
わたしが選んだ靴下を履いてくれている
今、ふり降ろそうとしているその椅子だって
なんてセンスがいいのかしら
どこをとっても格好いい彼に見とれて
逃げる暇もありゃしない

紳士のエチケット

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そこには入っちゃいけないって
あれほど忠告したはずなのに
入るなと言われたら入ってしまうなんて
どうしようもない人ね
笑顔の奥が見えないのかしら
あぁあ自分にばかり気を取られてたから
奈落の底までまっ逆さまに、落ちちゃった

もうあきてしまった

お前と話すことさえも
あなたをもっと知りたいの
黙っていることさえも
影のある横顔が好きよ
鏡のなかでナイフが笑う
今度は海を見に行こうね
窓のカーテンが黙って揺れて
沈みかけた太陽は動かない、夜はもう来ない
薔薇のつぼみは咲かずに散った

ナルシスの庭

天使のいたずらかしら
あの人はなぜ王子様の顔をしているの
たくさんのダイヤをすべて受け取っても、
わたしの愛だけは受け取りやしない
悪魔のほほえみなのかしら
あの人はなぜ王子様の顔をしているの
素敵な輝きを見ようとせずダイヤを守るため愛から逃げる
私の愛は届かなくてもダイヤに負けないプレゼントは届いたかしら
大きな大きな鏡をひとつ

となりあわせの不安

今日が祝日だと思わぬ今日を過ごしていると
贈り物が届いた
いつぞやのあの感情を思い出す贈り物が届き
忘れていたマグマが再び沸き踊る
しかし内から溢れ出す赤はそれだけでなく、
もしや
これは
体のふしぶしが痛い

何かいいことないか子猫ちゃん

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座っても立ち上がっても、歩いても
側を離れない名前のなかった猫を
わたしはいつから名前で呼ぶようになったのだろう
そんなことは忘れたふりをすればいいのかしら
昔から猫は好きだったけれど
話しかけてしまうなんて
何か特別なことに期待してしまう
いいことあるね子猫ちゃん

タダより恐いものはなし

深夜というには遅く
明方というには早い時間に
アイドルたちの夜から帰宅し
静けさがより寒さを増す中ネグリージェに着替え
さっきまでいたイベントを頭ン中で反芻させ
付け髭に鼻眼鏡、トレンチコートの襟を立て
変装していってよかった
と帰宅途中に購入した新刊に没頭
暖房器具が部屋を温め出したら洗面所へと向いメイクを落とす
明日というには遅く
今日というには早い土曜の
エンジョイナイトを思うと眠れないわ
とか目覚めたときあの人が隣にいたら幸せね
とか思って2秒で就寝