やけっぱちロック 真っ暗闇を手探りで進むくらいなら 迷路に迷いこんだほうがいいけれど 壁に阻まれるなんてごめんだね 同じ場所に何度も出たり 道幅と同じ大きさの岩が転がってきたら 人一人入れるくらいの隙間があるのは定石だけど 進む道はこの一本しかないなんてナンセンス
血となれ肉となれ わたしのハートは 大きく揺れるようにできているのか ちょっと小突いただけでも 振り切れるほどに揺れ それに合わせて体をフリフリ揺すってみても なかなか止まりはしないなんてホットだね けれど稀に微動だにしないとき 無感動がすぎて花のお股が裂けますぜ
花、匂うが如く 真夜中になる直前 ある女に口が裂けた理由を話し終えると おもむろにある女は語り始めた 耳が腐り始めた、と その瞬間ゴングの音が鳴り響く 口裂女と耳腐女の戦いの幕開けである 二人は女 お互い一歩も引かず汚い言葉が飛び交い 死闘を繰り広げる どちらも過酷な過程を経て 裂け、そして腐ったのだから 譲ることはできないようだ しかし部位が違うこともあって甲乙はつけがたく 戦いは一時休戦となった 再びゴングが鳴った時 口はもう口ではなくなり 耳はすでに地面に落ちているかもしれない わたしは忘れていた この世でもっとも恐ろしいのは女であることを だが幸いなことにこの勝負は電話であった 血を見ることはなさそうだ そして再開のゴングが鳴った しかし口裂女と耳腐女は 週末のパーティーで着るドレスの話をしている 戦いは一向に始まらない わたしはまた思う 女ほどわからない生き物はない、と
もげルからさけルへ ひまという平日の悪夢を拭い去るかのように んぱんぱんになった予約は はさみを縦や横やと動かし もげてもいいとさえ思ったそう 親指がもげたって笑顔を忘れなかっただろうけれど 私の身体は見たまま丈夫で こんな日はもちろんと夜 CDG狂と大阪のソウルフードを食べ食べ 今度はビアジョッキをしっかりと支える親指に休息はなく
牛一匹 情熱といえば赤いバラ 赤いバラといえば 白バラが恋人の胸を貫き その想いとともに血を吸いあげ 赤くなったとして有名な花ですが 私が大切に育てている白バラは白いまま 私の情熱だけでは赤くならず 悲恋をいやがらせてもくれないなんて 大切に育てすぎているのかしら
節穴 見えすぎちゃって困る わたしの小さなふたつのお目目 ついさっきすれ違った 透明人間も見えちゃうんだから 今日はどうかしてるわ 見たいものはたくさんあるけれど 隠れたものまで見たくないわね ああでもどうかしてるのはわたしじゃないんだわ
大阪・ア・ゴーゴー 人生初の家出は三日で終わり本日 自宅へと帰り一番にしたこととはやはり 大好きなアイロンがけで 立ちのぼるスチーム伸びゆく皺 洗濯と並んで好きなアイロンがけを 正座をして右にスイ左にススイと動かし 自堕落もええとこのはずれたテンションを 手首を返す度に取り戻せたように思ったけれど 水の中の生き物のように滑らかに動くそれを見ていると じ、とはしていられなくて