月別アーカイブ: 2006年9月

海外旅行へのレインボー作戦 <上>

始まりはいつだったか…
あれは確か
沖縄女が不幸な恋愛を終えたての去年2005年の暮れに
能登よ、傷ついた女は能登に惹かれるものよ
と思い込んでいた私を覆し
スペインに一人旅します
と言われ驚きさらに
帰りはいつになるかわかりません
と言われすぐさま
わたくしめもおともいたしましょう
と答えたのは沖縄女の生死を心配してではなく
私が一等行きたい国スペインへ
私より先に行くのは許せても
楽しかった土産話など聞きたくもないわ
という理由から思うよりも早く
同伴宣言が口から飛び出したのですが
彼の最後の酷い台詞に心の臓をえぐられ
はらわたを引きずり出され
奥歯ガタガタいわされたくらいで
どうにかなるような沖縄女ではないと存じておりますから
私は一等行きたかった国、スペインを
人生で最高にエンジョイするつもりでおりました
沖縄女の一人旅の出発は12月だったのですが
12月のヘアサロンといえばカーニバル
一年で一番忙しい時期に休みたくはありません
休んではお客さんに申訳がたちませんから
来年の2月にしようよ
とつまり今年、2006年の2月に行こうと言うと
生まれたての小鹿のような
何も知らない素直な沖縄女はウンと言い
これで私は人生で最高にスペインをエンジョイできると思ったら
にやにやにやけて思わずフラメンコを踊ってしまいましたが
踊り続けている場合ではなく
旅行の予約をせねばなりませんでしたので
カスタネットを叩くようにキーボードを叩き
ネットで調べたりしているある日
延期になったことだし旅費は自分で出そうと思うの
と沖縄女が言いました
そうですそうなのです
うちひしがれる娘を見て沖縄女の両親が
旅をしたら元気に、元の沖縄女に戻るのではないかと
涙の滲む旅費を沖縄女に渡していたのです
そうだったのです
まわりの人たちがとてつもなく心配する程
私が思っていた以上に沖縄女は傷ついていたのです
そうだったのか
と自分の足で立ち上がろうとする沖縄女を応援するべく
旅行はいい季節である今年の9月に出発することになったので
私はその時、旅費にと思っていた貯えからDVDレコーダーを買いました
ハードディスクに録画できるという優れものです
そのおかげで毎日の生活もエンジョイしています

明日の<中>へ続く

着地してピース

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欲しい
と一目惚れしたけれど黒と黄、所謂
タイガースカラーのエナメルバッグを
ちょっぴり持ちにくいわ
と買おうか買おまいか
随分悩んだのですが結局
持っていない雰囲気であり
今日を逃したら二度と、
同じ物と巡り合うことは決してないとしても二度と
同じ物に巡り合おうとも買わぬ気がしたので
思いきって購入したのは
ごく最近の出来事でございます

ストローを吸わないで

閉店後の夢屋でズビズビしていると
アメリカ生まれの大好きなテレビドラマの
オープニング曲がどこからともなく聞こえ
嗚呼わたしったら好きなあまりに
幻聴まで聞こえるようになってしまったのね
と悲しみの中に小さな喜びが見え隠れ
オホオホホと笑っておればなんのことはない
携帯の着信音で沖縄女からのコール
今から夢屋へ行ってもよいか
というので来てはならぬ
と即答すればそんなにも悲しいのか
受話器から沖縄女の涙がこぼれ夢屋が満杯になる直前に
すまないことをした
とクロールで急いで駆けつけたのに
涙は途中から砂にかわっていて
女は生埋め私は溺れる

惚れたが悪いか

王家の紋章を読んでるの
と友達から聞いたから
王家の紋章の絵のタッチが昔から変わらないのは
昔の絵を切り張りしているから
とお客さんから聞いたからというわけではないのですが
黒い微笑/細川智栄子/全4巻を購入し
王家の紋章は誰かに借りることにし
読んだのですがこの手の、
ホラーと呼んでいいのでしょうか
この手のものをほとんど読んでこなかったので
とんでもなく後味が悪いんじゃないかしら
と思って読んでみれば、
ええそうですよええ言っちゃいますよ
私って恐いがりですから
背表紙すら本棚の見えないところへ隠したくなるのかしら
と思っていたのですが私も大人になりました
とってもおもしろく読ませていただき
ホラーとギャグの紙一重を少なからずわかることになったのですが
細川知栄子時代に描かれた、ハーイ夢です/全1巻を
探せどまだ出会わぬ日々

浪花のゴッホ

  
お客さんに招待券をいただき
2ヵ月以上もやっているのだから
と安心しきっていたらもう終わりが近づいてきたので急いで
スヌ-ピーライフデザイン展が開催されている
天保山はサントリーミュージアムへ
平日のティータイムくらいの時間だったので
お目当ての草間彌生さんの作品をはじめ
ゆっくりとすることができ
初めて見る原画、コミックの前ではアメリカと呟き
小学生の頃に好んで持っていたトートバッグがスヌ-ピーやったなぁ
なんて思い出しながら駅までの道のりを歩いていると
駐車している自転車のカゴにスヌ-ピーのぬいぐるみが入っていて
少し離れたところにひっくりかえった小さなピンク色のバケツがあり
もしかしてこれも展示かしら
なんて思っていると少女とすれ違い
彼女の持ち物かはわからなかったけれど
ちょっぴり得をした気分になればいい時間
陽も暮れだし何度か訪れたことのある千日前のせきぐちへ
繁華街の中にある日本家屋へ入れば
赤い絨毯が廊下に敷かれており
なんともはいからな雰囲気で全部屋が個室なので
襖の奥に布団が敷かれてあるのでは
と妄想かきたてられ襖を細く開けてみればそこには
悪巧みや札束、土下座で頼みこむ人などもおらず
知らない人たちが普通に食事を楽しんでおられえへへ
なんつって私らもすき焼きをいただき
2つ目の生卵を割ろうかどうか悩んでは
静かな部屋と外から聞こえる喧噪の差が心地よい

血で血をあらう抗争

右でもなく左でもない
それはどんな豪碗投手の投げた直球、
ストライクよりも正確に
持ち上げたブラシはひとつの迷いもなく
額の中央から後頭部へと一気に駆け抜け
その風圧は後ろにいた人をも巻き込む
まさにその技は匠
几帳面に左右に分けられた前髪、
美しく両方にカールさせた前髪は
どんなに形のよいヒップを持つ絶世の美女ですらひれ伏す
その様はまさに生きた彫刻
センター分け
これだけの技と心を持ちながらも現在
メンズのショートヘアーでのセンター分けが
世の中にアリかナシかを問うたならば
絶対に「ナシ」である
しかし私には志し強い友人がいる
頑固な分け目を持つ友人がいる
彼の意思を尊重したいけれど
私にだって譲れない想いがある
美容師としての誇りだ
両の目からぼたぼたと涙を流し
すまぬ
と無理矢理にでも分け目をなくした時もある、がその時
彼の髪はブラシを使わずともみるみるうちにセンターで分けれていったのだ
彼の念力に完膚なきまで打ちのめされ
もうハードムースで襲いかかる力を無くし
私の涙はムースの泡とともに乾いていった
それなのに
世の中に受け入れられないのはなぜだろう
炎天下の中でも猛吹雪の日にも
何度となく振り上げられたブラシは
いつの間にか筋力を膨れさせ
小さな竜巻を起こせるとも言われている

あいたい日もある

初めて夢屋へいらしゃるお客さん方に
どちらで夢屋を知りましたの
と聞いてみるとサイトやmixiなど、
インターネットで知ったよ
という方々がだんとつに多く
二番目は唯一、
夢屋と社会を繋ぐ命綱であるヘアー雑誌cazicazi Hで次いで
紹介が多いのですが
この紹介というのが曲者、いいえ
ありがたいこと極まりないのですが
たいがいは現在夢屋へいらしてくださる方からの紹介である
と思いきや一度も夢屋へ来られたことのない方からの紹介で来た
と言われる方が結構おられて
あんたこんなん好きやろ
ていうかもう知ってんちゃうん
といった感じですすめられることが多いようですが
なんとも入りにくい店であるが本当に存在する店なのか
行きにくい超行きにくい
だからあんたいっぺん行ってみてぇな
てな感じすすめられ来られたのではないか
と思われる方もしばしばおられるのですが
紹介してくださる皆々様
誠にありがとうございます
これからもどうぞよろしくお願いいたします

ナニ色の履歴書

なんとかの秋
とは数ありますが私の秋といえば
秋特有の淋しさから身を隠すためにお洋服を買い
これから来るつらく寒い冬を乗り切るためにお洋服を買う、
ひとりの夜の切ない悲鳴がもれぬよう酒を飲む
とこれは秋だけではありませんがつまり
秋とはおしゃれーしたくてしたくてしたくてたまらい
物欲をむしゃぶる秋、なのでございます
なのにショッピングをエンジョイしたくても、
行きたくてもすぐには行けない
また一度も行ったことのない
8で始まり1で終わるアクセサリーショップから
物欲揺さぶる素敵なDMが届きました
私を喜ばせるのはお買物だけじゃない
秋冬コレクションにて
初じめてモデルを起用した821のDM
手前の821ヘアピンは夢屋にて販売してます