手巻きの腕時計は二度と買わぬ
電池ではなく手で巻かなければ動かない腕時計は二度と買わない
と空に輝く七つの星に誓ったのはかれこれ数年前
毎日腕時計を変えるほど
腕時計に執着があるわけでもなく
ブレスレッド変わりになればよい
とデザイン重視で選ぶようにしていたのに数年前
欲しい物は何
と問われればいつも、掛け布団
と答えていた私に
もっと色気のある物はないの
と言われ布団以外に欲しい物が当時なかった私は
ムムム、と何日も悩みぬき
あの腕時計という答えを導き出した結果
手巻きの腕時計をいただいたのだけれどこの時計
私から生まれたかのように愛情を持ち持ち接しなければ
止まってしまって動かなくなるような寂しんぼうぶりで
やっぱり掛け布団がよかったわ
今の私にはあたためるよりもあたためられることが必要なのよ
なんつってそれからというもの
どんなに私を虜にする腕時計に出会っても
手巻きならば下唇を噛んで諦め
それ以外の手巻きの腕時計を持つことなく
あの誓いを破ることなく生きてきたのだけれど
先日購入したぐいぐいきた腕時計が手巻きで
難儀なことこの上ないのにでもどこか、嬉しい