あるはずのないものの存在に驚
それは私が知らなかっただけのようで
そんな眠たい頭を覚ますため今夜は
辛さと爽やかさのコラボレーション、
タイ料理を食べに南船場へ
滅多と食事に行かない南船場の夜は暗い
けれどその暗さがひとつの灯りをより
輝かせているのだけれど
どこをとっても嫌いなものなどないタイ料理だけど
辛すぎるのはいただけず
あまりにも辛いと目がチカチカしちゃう、そう
あれはそうハイティーンの冬
大好きなグッドルッキングとのデート中どうしても私はその日
彼と手をつなぎたかったのだけれど、時は冬
彼はポケットに手を入れていて叶わずしかし私は
わずかな隙も見逃さぬようチャンスをうかがったままカレー屋へ
席につくなりコートを脱ぐ、チャンスは来た
店を出てからポケットに手を入れるまでが正念場
と目を光らせ獲物を狙う私にカレーの味などわかるはずもなかったのだけれど
辛さは私を刺激する
目の光りはじょじょに奪われ目眩がし記憶が朦朧とする
は、と我にかえった時すでに遅し
もう彼の手はポッケの中へ
ああ辛さにも屈せぬ唇が欲しい
と今も思いながら食べるココナッツミルクの
ホットデザートは絶品